「怒ってないから大丈夫だよ」というこどもの優しさ

3歳の娘と近所の公園に行ったときのこと。

 

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砂場で遊んでいると、砂場のふちに砂のお団子が並んでいた。

 

 

お団子で遊んでいる子はいない。

 

 

誰かが作って放置していったお団子なのかなと思った。

 

 

娘も同じことを思ったらしく、3歳児特有の本能的な破壊の衝動で、1つずつお団子を壊し始めた。

 

 

すると、砂場の別のエリアで遊んでいた幼稚園児くらいの子供たち(=娘よりも1~2歳くらい年上)が集まってきた。

 

 

「これ、作ったのに。」

 

 

「誰が壊したの?」

 

 

「この子だよ」

 

 

あっという間に"お兄さんお姉さん"が集まってきた。

 

 

「ごめんね、砂のお団子、もう誰も遊んでいないと思って壊してしまったの。知らなかったとはいえ、壊されたお兄さんお姉さん達も悲しかったから、娘ちゃんもごめんなさいって謝ろうね。」

 

と私が促すも、娘は6人ほどに取り囲まれて完全に硬直。

 

 

緊張で一言も発することが出来ずに固まる娘の方に、ふと男の子が一歩進みでて

 

 

「怒ってないから大丈夫だよ」

 

 

と言って、娘の小さな肩をポンとしてくれた。

 

 

私にはこの言葉と光景がひどく響いた。

 

 

 

誰かを糾弾しようとしているときに、その集団を抜けて「怒ってないから大丈夫だよ」と言えるだろうか。

 

 

自分より小さく弱い者が萎縮しているのを見て「怒ってないから大丈夫だよ」と言えるだろうか。

 

 

相手に悪意がないと分かったら「怒ってないから大丈夫だよ」と善意を示せるだろうか。

 

 

子供の頃にこんなこと、言われたかったな・・・。

 

 

子供が牛乳でもこぼすと「何やってるの!」と思わず怒ったりしてしまう大人は多いと思う。

 

 

でも、たった4,5歳の子が「怒ってないから大丈夫だよ」と自分より小さき者に、真っ先に寛容さを示せることに心を打たれた。

 

 

親御さんや周りの人にこう言われているから、さっとこんな言葉が出るんだろうな。

 

 

子供や家族は自分の日々のあり方の鏡だなと思った。